【初心者のためのデッサン】光かげによる立体感の出し方のお話(1)【2/4】
どうもボビンです。
前回(【初心者のためのデッサン】明度、彩度、デッサンの要素のお話【1/4】 - BOBIN)はデッサンの要素についてお話しました。
今回は光かげを理解して立体感を出せるようになってもらいたいと思います!
そこで、卵を描いて説明していきます。
光かげによる立体感
まずは大まかに説明していきます。
モノが立体的に見えるには光かげが前提となります。真っ暗なところでは、光がないので、立体感は損なわれます。逆に太陽や月は立体的には見えないと思います。これは全体が同じように明るく、かげができていないからです。
では、卵のイラストを使って立体感を出すための手助けとなるコトを紹介していこうと思います。
モノに光が当たったときの「かげ」には2種類あります。
モノ自体にできる陰と、
そのモノが落とす影の2種類です。
上のイラストでも、光が当たり、卵に陰ができ、それが影を落とすということが分かります。これだけで多少の立体感は感じられると思います。
ここで、より立体的にみせる知識も紹介します。
上のイラストのようにハイライトと反射光を加えるとより立体的になります。
ハイライト
光が当たるなかでも特に明るい場所(ハイライト)を決めることで、光の印象がぼやっとせず、クリアな見た目になります。
反射光
光というものは真っ黒の場所に当たれば吸収されますが、白い場所では反射をします。その反射した光を反射光といいます。
上の卵のイラストでは左上から光が来ています。その光が床に当たり反射します。その反射光が卵の陰の中で床に近いところを少しだけ明るく照らします。
ただ、ひとつだけ注意点があります。反射光を卵に直接当たる光よりも明るくしないようにしてください。反射光は陰の中の一部と考えたほうが良いと思います。
以上で簡単に光かげによる立体の知識、要素について話はおわりです。
これらを踏まえて実際に描いていきます!!
卵のデッサン
前回した話と今説明してきたことを踏まえて描いていきます。ここからは少し技術的な話も加わってきます。
下描き
3Bの鉛筆で下描きしました。
デッサンははじめは柔らかい鉛筆を使い、徐々に細かい作業をしていくうちに硬い鉛筆にしていくと描きやすいと思います。
また、はじめのうちは鉛筆は寝かせぎみに、細かい作業のときは立てぎみにしていきます。
下描きはなるべく立体としての構造をみるようにします。卵はシンプルな形なので、構造は簡単だと思います。ただ、いびつな形ではないので左右対称になるように卵の形を意識して描いていきます。
次に卵の張りの部分を取っておくと早い段階で立体物として感じることができます。
卵の張りの部分とは言い換えると、光とかげ(陰)の変わり目の部分のことだと思っていいと思います。
卵以外のモノを描くときでも光かげの変わり目や面の変わり目を"張り"として捉えて下描きの段階でうっすらと描いておくと良いと思います。
光かげを作る
次に光かげを作っていきます。
ここでも3Bを使いました。
光側を先に塗るより、かげ側を先に塗ったほうが早く光かげ・立体の印象を出すことができます。
細かく見すぎないようにざっくりと塗っていくと良いと思います。
かげ側を塗ることができたので光側も塗っていきます。
ここでも細かいことは気にせず、今は光側を大きく捉えて塗っているんだ!という意識でやってみてください。
彩度差を出す
前回話した彩度のことがここで関わってきます。
こすったり、硬い鉛筆で描いたりすると彩度が低くなる!という話でした。
彩度差を出すことで立体的に描くことができます。 主にかげの部分は彩度が低く、鈍い印象なので、光側に比べて、一歩後ろに引いてほしいイメージがあります。
そこで、かげの部分をティッシュなどでこすると光かげの差をより出すことができます。
図の青いところを主に鈍くしていくといいと思います。
実際にこすってみるとこうなります。
この時点でベースはだいたい完成です。
次からの作業ではより硬めの鉛筆で卵の形に沿うようなタッチを加えたり、立体感を追求していったりします。
具体的にしていく
ここからは硬めの鉛筆で鉛筆を立てて描いていきます。
Fの鉛筆を使って描いていきました。
卵と床の接地面がぼやけていたので、硬い鉛筆ではっきりと際(きわ)を出しておきます。
また卵の張りの部分も硬めの鉛筆を立てて形に沿って作り込んでいきます。
ひたすらこういう作業をやっていきます。また、かげ側を描いていくよりかは光側や張りを中心に描いていくと立体として自然にみえやすくなります。
卵はどちらかというと、表面は滑らかなので、グラデーションを綺麗に作りつつ丸みを出していきます。
ずっと硬めの鉛筆で描いているとだんだん黒くなっていっていきます。そのときは練り消しで優しく叩く感じで明るさを出していきます。こういう地味な作業を繰り返すことで、リアリティーが出てくるはずです。
さらに、ただ消すというイメージのある練り消しですが、別の違った使い方を覚えるとデッサンは上達します。
鉛筆で描くのと同じように練り消しも描くイメージで使うことができます。練り消しの先を細くして鉛筆で描くのと同じように描く(消す)ことで単調な絵から表情豊かな深みのある絵にすることができます。
長く説明してしまいましたが、これらを踏まえて完成したのがこちらです。
ちなみに床の色が変わると反射光もその影響を受けて、色味が加わります。
例えば、こんな感じになります。
床が青色なので反射の部分も青色の影響が加わっています。
まとめ
今回説明したことをしっかり理解して、技術を覚えていくことで、誰でも必ず描けるようになります。
実際卵は描いていてそこまで楽しいものではありませんが、基礎を覚えるのには役立ったと思います。 次回はより、要素のあるモノをデッサンしていきます。
では、また~♪